水道凍結の話

住宅関連

これからますます気温が下がる北海道、本業での凍結修理の依頼が増えます。

私の現在の本業は、水道・排水・換気・冷暖房といった住宅設備ですが、

この時期になるとなかなかエグい仕事がいろいろと入ってきます。

寒冷地にお住まいで、この記事をこれから読む人はラッキーです、いらぬ出費を抑えることができるでしょう。

今回の記事はかなり真面目に書くのでしっかり読んでいただきたい。

これからの1月・2月・3月、いろいろ凍ります。

寒冷地では-4℃を下回るような日はTVでも配管凍結の注意喚起をしてますが、

だいたい-4℃ってのがボーダーラインです。

これを下回ると凍結修理の依頼がドッと増えるんですが、まず来るのが給水、給湯配管。

配管内の水抜きをしないでいると、水のたまりやすい配管の低い部分、かつ保温材が巻かれておらず、かつ風の当たる部分、

そういうところから凍結します。

特に風が当たる場所は非常に凍りやすいです、

壁の中で気密性がとれておらず風が走る場所、天井裏の軒天から風が吹き込んで来る場所
床下で基礎に換気口が付いていて、そのそばを通っている配管など。

そして、水の配管よりも、お湯の配管が凍っていることが多い、

理由は、近年の住宅こそ高気密・高断熱で、基本的に配管が凍結することはない前提なので、

樹脂管(樹脂でできた自在にぐにゃぐにゃ曲がるパイプ)が使われていることがほとんどですが、

樹脂管(ポリブテン管)

ひと昔前の住宅はお湯の配管っていうのは寒冷地の場合、銅管がほとんどです。

銅管

水の配管でも銅管は使われていますが、水の元栓近くの配管は鉄でできた鋼管からスタートしています。

ライニング鋼管

銅管は肉厚が薄く、熱伝導率が高いためマイナスの外気が当たるとすぐに凍結するんです。

水が配管内で凍結すると、体積が増え膨張します。

銅管は肉厚が薄いため、すぐに凍結部分が膨らんで裂けます。

そうです、丈夫そうな金属の配管でも凍結すると膨らんで配管がパックリと裂けるんですよ。

凍結がひどいと、頑丈そうに見えるお風呂のシャワー混合栓の本体部分とかも、膨らんでパックリいきます。

お風呂といったら、大体サーモ付きの混合栓が多いですが、一回凍結すると大抵サーモ部分が壊れて交換になります。

配管が裂けただの、シャワーが凍っただのっていうのを業者呼んで直したら、当然のようにウン万円です。

サーモ付きのシャワー混合栓なんて、できるだけ安い物に交換してもらっても本体20,000円、交換工賃は最低でも5,000円取られます。

それに、程度によりますが例として、配管の解氷工賃1時間で17,000円、裂けた配管の修理費18,000円

合計金額6万円、それに消費税が乗っかって6万6千円。

怖くないですか?配管凍結。

これが壁の中や天井裏で凍結していて、壁、天井を剝がさないと修理できないなんてなったら、

規模によっては大工さんが補修し、クロス屋さんがクロス貼り替え。

もう軽く二桁万円です。

なんで、いままでウチは凍結したことないから、とか言ってないで水抜きしたほうがいいですよ。

一言で水抜きといっても、ただ水の元栓、つまり水抜栓のレバーを操作して水落とししただけでは、築年数が古い住宅で数日家を空ける場合、ぶっちゃけ全然不十分です。

出来る限り配管内の水を無くさなければなりません。

水落としして水道の圧力が無くなった配管内の水は、当然高いところから低いところへ流れます。

低いところに溜まる水を出来る限り排出しなければそこで凍ってしまいます。

次回の記事でじゃあどうやったら水が抜けるのかを紹介するのでぜひ読んでもらって、

このご時世、高いお金を業者さんに払わなくて済むようにしてもらいたいと思います。

急いで書きます。

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